足袋人の長々レター

今日は朝から現場デーとなるはずでした。(昨晩までの予定)
当面の段取りがついたと思っていた矢先から次の仕事が入ってきました。このご時世に本当ありがたいことです。とりあえず下見に。

dsc03432.JPG (大きいお屋敷です)

なんか右奥の隅棟が気になります。恐る恐る見てみると・・・

dsc03433.JPGdsc03434.JPG (・・・・・・・・)

恐ろしいことがおきてました /(‐‐)\ 

dsc03446.JPGdsc03449.JPG (・・・・・・・・)

目の錯覚なのか隅木が折れてるみたいです。(いや 完全に折れてる・・・)
「〇〇さん 雨漏りどころの話じゃないですよ。とりあえず来年まで待ってください。木工事も全てうちでやりますから・・・」
朝イチから強烈なボディブローをくらいました。

現場へ戻る途中に 去年施工した神社の前を通りかかったのでとりあえずパチリ。

dsc03420.JPG (山奥にひっそりと)

えっ?遠すぎるって?
仕方ない。徒歩で行ってきました。

dsc03422.JPGdsc03426.JPG

実は近くまで行っても 樹木と段差に邪魔されて全体写真が写せない屋根でした。淡路島でよく見かける『鳥休み』という瓦を使ってみました。

dsc03425.JPG (鬼瓦の上に飛び出たヤツ)

鳥休み・・・語源は『鳥が休憩するための場所』からきました。
(実は知らない足袋人;)

その後 棟積みの現場へ合流。
あっという間のまさしく秒殺でした。

dsc03467-1.JPG (鬼際の紐丸瓦)

この箇所は紐を半分に切るのが基本です(通称 半紐といいます)
丸い形状のため 一枚もので取り付けると鬼際が下がり 微々たる量ですが水が浸入するおそれがあります。

 dsc02307.JPG (悪い例)

半紐にせず しかもセメントを塗って隠そうととする不届き者です。
即刻 瓦職人を引退するか基本から勉強をし直す必要があります。結構こういう仕事を見受けますがたぶん理解してないんでしょうね。知らないヤツは本当に恐いもの知らずです。

dsc03469.JPG (反対側)

順番にかぶせていくので最後は当然こうなります。ここで先ほど切った半紐の片割れが出番となります。

帽子をかぶせて はい完成!

dsc03471.JPG (ジャーン)

写真撮影のため 素手で瓦を持ってますが本当はこれもタブーです。
手の油がついてせっかくの【いぶし銀】に手跡がついてしまうからです。
現場で監督さんとかお施主さんに素手で触られることもありますが やんわり注意します。
(眼光はするどくなってるかも??)

この写真はあくまで撮影ということでお許しください。

以上 長々と一日をおいかけてみました。おしまい(^^)v

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コメント

  1. 瓦人 より:

    完全に隕石落下ですね。もしくはサンタさんの落ちた跡・・・?(笑)
    隅木ってこんなに傷むもんなんですか~?ヒドイですね。

    半紐・・・、こうやって使ってるの初めて見ました。
    屋根は瓦職人さんの独壇場ですね。
    「魅せる屋根」って、その美しさの影で細部にはこんな工夫があるんですね。面白いです。

  2. そうかー。隕石落下かー。
    新聞社に連絡しないと^^b
    現場での小細工は 親方から教わったもの・親方から盗んだもの・はたまた
    自身の経験で見つけたもの などなど たくさんあります。
    また小出しで紹介します。
     

  3. トラック野郎 より:

    僕もこの半紐、メチャ凄いと思いました!!(感動)
    これからは現場で、つい鬼際の所に目がいってしまいそうです。
    また、ド素人の僕達にいろいろ裏技を公開してください。
    楽しみにしています!!

    ちなみに僕も現場で降ろした瓦達を、お施主さんに素手で触られる事が多々あります。「素手触り禁止」みたいな張り紙をしておいたほうがいいですかね?(笑)

  4. 切妻屋根は中心から左右に積みわけるのが基本です。
    そうすることにより のし瓦の寸法誤差も半分になります。
    焼き物ですから1ミリくらい短い瓦もあるわけで 片側から一方通行で積んでしまうと反対の鬼際が不細工になります。
    つまり両方の鬼際の瓦寸法を揃えるという意味合いもあるのです。
    これをしていない瓦葺き職人 星の数ほどいるんじゃないかなー??
    トラック野郎さんの現場は次からは心配ないですね!
    もちろん教育的指導を足袋人に代わってやってくれそうやし^^v