包み込むように

屋根を創るときに欠かせないのが瓦割。勿論登り方向・桁方向ともに大工さんに指示を出しています。

『できたもんを納めるんが屋根屋とちゃーうんかい!』

『前来た屋根屋は適当にやっとってって言うとったぞ!!』

若かりし頃の足袋人は売り言葉に買い言葉でよくプッツンしてました(^^);

『そんなもんやって当然ちゃーうんかい!あんたそんでも大工か!このダイハチがー!それともダイシチくらいかー?!』 (--♯) とやんわり説教したものです。

もし寸法を間違って創っていてもそれをわからないようにカバーしてあげるのが屋根屋のプロなんです。イケイケドンドンで葺いてしまって調整瓦を使用するような屋根屋なら気は楽なんでしょうがね。そんなのはプロではありません。まがいモノです(^∇^)

dsc06994.JPG (棟際の瓦)

パッと見は裏表同寸法ですが実は1寸ほどの狂いが。
これは大工さんのミスではありません。
足袋人が瓦寸法を伝えるのを忘れていたんです(==ヾ
登りの割り付け寸法を片側だけ甘くしようかなと思いましたがそれも気が引けます。よって・・・

dsc06997.JPG (欠き下げ)

50数枚ほどなんで切っても数分。この手間をかけるかどうかによって見た目に歴然の差がうまれてきます。これができる職人しか甍屋には入れません(^^)v

dsc06999.JPGdsc07000.JPG  (巴の納まり)

紐袖の紐の部分を被うかのごとく。

これは拘りとか意地とかではなく標準仕様です。(^^)/
 

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コメント

  1. 大工の源さん より:

    お見事ですね。ダイハチと言われないよう私も頑張ります!逆に教わりたいくらいです…

  2. 大工の源さん。
    足袋人は瓦屋ですから大工さんを教えることなんて滅そうもございません。
    割なら教えることできますが!
    野地の弛みは両者で考えが違います。
    お互いの考えを出し合い歩みよることが必要と思います。
    こんな感じ・・・などいい加減なことは言いませんから!
    全てに理由があるのです。