今までありがとうございました

曇りの予報を裏切り朝から雨でした。合羽着用で葺き替え現場に向かい既存の破風板を外してきました。今回のリフォームで新調します。

dsc09391.JPG (加工中)

意匠的に下端を丸しています。
少々削って柄を入れるので見た目も俄然よくなる予定です。

一部の作業は動かしましたが足袋人は休みました。

この雨は虫の知らせだったように思えます。

その連絡は午前中に突然に。瓦業界に入って以来ずっとお世話になり続けていた京都にいる足袋人の親方が今朝未明72歳で亡くなりました。現在私がこの仕事で何とか飯を食べていけてるのもこの親方との出会いがあったからこそであり弟子になっていなければ拘りも何もない一瓦葺き職人のままで過ごしていたと思います。一生涯終わり無き修行の道に変わりはないのですが何とか認めてもらおうという気持ちだけで今までやってきました。仕事に向き合う姿勢から始まり生活態度にまで及ぶ全てにおいての先生であり修行を終えた後もどんなに忙しくても毎年一回は親方の前に顔を出すように心がけていました。最後に会ったのは昨年の愛媛県の会合でしたがそこで『久しぶりやな。元気そうで何よりや。』と短くも優しさ溢れる言葉が親方からの最後の言葉になってしまうとは。声をかけていただいたのを昨日のことのように鮮明に思い出します。これからも親方の言葉『甍は魂の通う道 心して葺くべし』を忘れずに天国の親方に怒られないような仕事をしていきたいです。

塾長 どうか安らかにお眠りください。

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コメント

  1. レス急隊員 より:

    お久しぶりです
    暫く振りに見させて頂いたら・・・・・・・

    塾長様には、一度グランプリの会場でお目にかかり
    見ず知らずの私の疑問に、答えて下さった事があります

    塾長様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます

  2. 葺く人 より:

    心中お察しします。
    瓦業界の重鎮でありご意見番だった塾長が残した功績は言い尽くすことができないほど。
    心して葺く‥それができる足袋人さんがこれからも活躍することを願っております。

  3. 十五枚はぜ より:

    あれだけ大勢の懐かしい顔ぶれに、あんな形で再会するとは思っていませんでした。
    心の中に、大きな空洞ができた感じです。
    一作年の11月に突然、スクーターで訪問を受けたのが最後になってしまいました。
    仕事にかまけて顔を出さなかった事を、今になって後悔しています。
    足袋人さんの言う様に、塾長が今度は上から見ています。
    師匠から笑われない仕事をする事が、今の自分に出来る、塾長の恩に報いるただ一つの事と思います。
                     合掌

  4. レス急隊員さん。

    塾長は聞く者には耳を傾けるお方でした。呼ばれればどこへでも指導に行く姿を何度も間近で見たものです。
    毎回グランプリに参加する自分の弟子たちをきっと温かい目で見守っていたんだと・・・。

  5. 葺く人さん。

    『瓦は並べるものではない』と教わりました。
    焼き物特有の行儀をいかに使い分けするかということは塾長との出会いがなければ考えもしなかったこと。知らずにやってる方が今の時代には幸せだったかも知れませんが親方の教えを守りながらこれからも瓦と向き合っていこうと思っています。

  6. 十五枚ハゼさん。

    本当に残念な形でのみんなとの再会でした。自分の弟子たちがそれぞれの地元で堂々とやっていくことを塾長も楽しみにしているはず。
    お互い頑張りましょう。